老後の医療費・介護費はいくら備える?年金生活の支出対策
サイト監修:ふかちゃん
老後資金を考えるとき、毎月の生活費だけを見ていると不足を見落としやすくなります。実際には、医療費、薬代、通院交通費、介護サービス、介護用品、住宅改修、家族の交通費、入院・施設入所時の費用などが重なります。年金生活では、こうした支出を「たまにある特別支出」ではなく、起こり得る老後費用として準備しておくことが大切です。
医療費は高額療養費制度を前提に考える
医療費には自己負担割合がありますが、医療費が高額になった場合は高額療養費制度で一定額を超える負担が軽減される仕組みがあります。厚生労働省は、高額療養費制度を「医療機関や薬局の窓口で支払った額が、ひと月で上限額を超えた場合に、その超えた金額を支給する制度」と説明しています。
ただし、差額ベッド代、食事代、先進医療、通院交通費、付き添い費用、家族の移動費など、制度の対象にならない支出もあります。入院や通院が長引くと、医療費そのものよりも周辺費用が家計を圧迫することもあります。
介護費は「申請してから始まる」
介護サービスを利用するには、原則として市区町村に申請し、要介護認定を受ける必要があります。介護保険は老後生活を支える重要な制度ですが、申請、認定、ケアプラン、サービス選択、自己負担、施設選びなど、実際に必要になってから慌てる人も少なくありません。
介護保険サービスには自己負担があり、利用限度額を超えた分、日用品、食費、居住費、住宅改修、介護用品、家族の交通費などは別途考える必要があります。介護費は本人だけでなく、配偶者や子どもの働き方にも影響します。
75歳以降は後期高齢者医療制度へ移るため、医療保険料、窓口負担、高額療養費の所得区分も確認が必要です。年金から引かれる保険料は後期高齢者医療制度と年金で整理しています。
老後資金に組み込むべき支出
| 支出 | 備え方 |
|---|---|
| 日常の医療費 | 診察、薬、検査、通院交通費を毎月の生活費に含める |
| 入院・手術 | 高額療養費制度を確認しつつ、対象外費用の予備資金を持つ |
| 介護サービス | 介護保険の自己負担、限度額超過、介護用品を見込む |
| 住宅改修 | 手すり、段差解消、浴室・トイレ改修などを想定する |
| 家族支援 | 子どもや親族の交通費、付き添い、手続き支援の負担を考える |
医療・介護費は預金で持つ部分も必要
NISAやiDeCoで老後資金を増やすことは大切ですが、医療費・介護費は必要な時期を選べません。相場が下がっているときに投資資産を売ることにならないよう、数年以内に使う可能性がある医療・介護の予備資金は、預金や換金しやすい資産で持つことも必要です。
一方で、すべてを預金にしてしまうとインフレに弱くなります。生活費、医療・介護費、住宅費、長期の成長資金を分け、使う時期に応じて資産を置く場所を変えると、老後資金全体の見通しが立てやすくなります。
家族と共有しておきたい情報
- 健康保険証、介護保険被保険者証、マイナンバー関係書類の保管場所
- かかりつけ医、服薬情報、入院歴、アレルギー
- 年金、預金、証券口座、保険、介護費用に使う口座
- 延命治療、施設入所、在宅介護に関する希望
- 緊急連絡先、親族、ケアマネジャー、地域包括支援センター
関連サイトでさらに読む
医療・介護費は、年金だけで完結しないテーマです。実際の手続きや家族との共有は、終活分野の情報もあわせて確認すると進めやすくなります。
公式情報も確認する
- 厚生労働省:高額療養費制度を利用される皆さまへ:医療費の自己負担上限の確認
- 厚生労働省:介護保険制度の概要:介護保険の仕組みの確認