年金受給者の確定申告|不要制度・医療費控除・住民税申告
サイト監修:ふかちゃん
年金を受け取り始めると、毎年の税金や社会保険料の確認が必要になります。公的年金には確定申告不要制度がありますが、「申告しなくてよい場合がある」ことと「申告した方が得になる場合がある」ことは別です。医療費控除、社会保険料控除、生命保険料控除、寄附金控除などがある人は、還付申告を検討する価値があります。
公的年金等の確定申告不要制度
国税庁は、公的年金等の収入金額が400万円以下で、公的年金等以外の所得金額が20万円以下の場合、所得税の確定申告は不要になる制度を示しています。多くの年金受給者に関係する基準ですが、これは所得税の確定申告についての制度です。
注意点は、確定申告不要制度に該当しても、医療費控除や社会保険料控除などで所得税の還付を受けるために確定申告できることです。また、所得税の確定申告が不要でも、住民税の申告が必要な場合があります。
年金から所得税が引かれない人でも、2027年分からは住民税の控除を受けるために年金の扶養親族等申告書を提出する場合があります。毎年の確定申告とは別の手続きなので、届いた案内の対象年と提出要否を確認してください。
申告を検討したいケース
| ケース | 確認すること |
|---|---|
| 医療費が多い | 医療費控除の対象になるか。高額療養費で補填された分は差し引く。 |
| 介護費や通院費がある | 医療費控除の対象になる費用と対象外費用を分ける。 |
| 国民健康保険料・介護保険料を払った | 社会保険料控除として反映されているか確認する。 |
| 生命保険料・個人年金保険料を払った | 控除証明書を確認し、生命保険料控除を使えるか見る。 |
| 年金以外の所得がある | 不動産、配当、株式売却、副業、個人年金などの所得を確認する。 |
| 扶養・配偶者控除が変わった | 配偶者の年金額、所得、扶養親族の状況を確認する。 |
住民税申告を忘れない
所得税の確定申告が不要でも、住民税の申告が必要な場合があります。住民税は、国民健康保険料、介護保険料、後期高齢者医療保険料、各種給付や自治体サービスの判定に影響することがあります。年金以外の所得が少額でも、自治体に確認しておく方が安全です。
特に、医療費控除を住民税にも反映したい人、年金以外の所得がある人、配偶者や扶養親族の状況が変わった人、退職した年や年金を受け取り始めた年は注意しましょう。
年金受給者が集める書類
- 公的年金等の源泉徴収票
- 医療費のお知らせ、医療費領収書、通院交通費のメモ
- 国民健康保険料、介護保険料、後期高齢者医療保険料の通知
- 生命保険料控除証明書、個人年金保険料控除証明書
- 寄附金受領証明書
- 証券会社の年間取引報告書、配当金関係書類
- 個人年金保険、企業年金、iDeCoの受取関係書類
年金の手取りとセットで考える
確定申告は、税金だけでなく年金生活の手取りを確認する作業でもあります。年金振込通知書、源泉徴収票、住民税通知、介護保険料通知を並べると、額面年金と実際に使える金額の差が見えてきます。詳しくは年金の手取りでも整理しています。
退職金、企業年金、iDeCo、NISAの売却益、個人年金保険などがある場合、所得区分や申告の要否が変わります。大きな資金を受け取る年は、早めに税務署や税理士へ確認しましょう。
申告前に確認する順番
- 公的年金等の源泉徴収票で、年金収入、源泉徴収税額、控除対象配偶者や扶養親族の記載を確認する。
- 医療費、介護費、社会保険料、生命保険料、寄附金など、使える控除がないか整理する。
- 企業年金、個人年金、配当、株式売却、不動産収入、副業収入など、年金以外の所得を確認する。
- 所得税の確定申告が不要でも、住民税申告が必要か自治体の案内で確認する。
- 申告する場合は、翌年の健康保険料や介護保険料への影響も含めて控えを保管する。
年金生活では、一度申告して終わりではなく、医療費、介護費、配偶者の所得、投資収益、退職金の受け取りなどで毎年状況が変わります。前年と同じつもりで処理せず、源泉徴収票が届いたタイミングで家計全体を見直す習慣を作ると、控除の使い忘れや住民税申告漏れを防ぎやすくなります。
関連サイトでさらに読む
公式情報も確認する
- 国税庁:公的年金等の課税関係:公的年金等控除、源泉徴収、確定申告不要制度の確認
- 国税庁:確定申告特集:申告書作成、提出方法、必要書類の確認